台本を、そっと手放してみる朝
目覚めたとき、今日の予定は一応決めてある。
けれど、玄関を出て最初の角を曲がったとき、
世界はすでに“台本通り”ではなくなっている。
それでも、なぜだろう。
わたしたちはつい、理想のシナリオを握りしめて、
心の中で必死にリハーサルを繰り返してしまう。
その台本、本当に“今のあなた”に合ってる?
決まったセリフ、段取り通りの流れ。
でも、舞台は生きていて、
いまこの瞬間にしか生まれない“空気”がある。
決めすぎると息苦しくなるのは、
自分の“現在地”が、静かに変わり続けているからだ。
「自分の台本にこだわらないでください。バリアントの流れに身をまかせましょう。」
書籍の一節が、魔法の呪文みたいに響いた。
流れに身をゆだねたとき、
世界はそっと、あなたを中心に動き始める。
理性はコントロールしたがる。魂は信頼したがる。
理性は、真面目で一途。
「こうでなくちゃ」と赤ランプを灯す。
一方で、魂は驚くほど柔らかい。
予定外に、思いがけず心を遊ばせてしまうこともできる。
わたし自身、最近ちょっと予定外のことがあった。
一瞬、誰かに働きかけて回避したくなったけど、
そのとき「待てよ」と、心の声に耳をすませた。
これが私にとって必要なら、これが起きる。
そうでなければ、起きない。
どっちにしても、「私の世界は、私を気遣ってくれている」
そう思考フォームを整えたら、不思議と何も悪いことは起きなかった。
ジタバタしない勇気――
それは、案外すごい力を持っている。
世界はあなたを気遣ってくれている
この一文、胸に置くと、なぜだか静かに救われる。
世界は冷たくも、無関心でもなく、
本当はずっと“あなたの味方”でいようとしてくれている。
出来事の見方が変わると、
現実の色合いがほんの少し、やさしくなっていく。
泣き寝入りじゃない。観察と信頼のバランス
言うべきことは、ちゃんと言っていい。
でも“言う”も“言わない”も、
どちらも意識して選ぶことができる。
大事なのは、自分の舞台を信じて、
状況に流されず、観察しながら選ぶこと。
そのバランスが人生の景色を変えていく。
ジタバタしない人に、世界はやさしくなる
なんでも受け入れる、ということじゃない。
ただ、“いま”を観察して、
その流れの中で自分を信じてみる。
何もしないことが、最も深い行動になるときもある。
それは、あなたがすでに“信頼”という台本を選び直した証拠。
世界は、あなたの味方
朝の光、思いがけない風、ふいに届く優しいまなざし。
それらはきっと、あなたの味方でいようとする世界からの合図。
あなたの静かな信頼の上に、すべては整いはじめる。
今日という一日が、やさしく自由な舞台になりますように。
YouTubeでも、このテーマについて語っています。
台本をそっと手放す勇気と、
世界を信じる穏やかな強さを。
深呼吸とともに、ぜひ耳を傾けてみてくださいね。