ヴァジム・ゼランドさんの「過剰ポテンシャル」という概念は、
現実世界におけるバランスとエネルギーの法則を理解するための重要な鍵です。
この概念を理解することで、
私たちは自分の思考や行動が
どのように現実に影響を与えているのかを深く認識し、
より意識的に人生を創造する手助けとなります。
過剰ポテンシャルの定義とその発生
「過剰ポテンシャル」は、簡単に言えば、物事や状況に対して過剰な重要性を与えたときに
発生するエネルギーのことです。
ゼランドさんは、宇宙においてバランスが非常に重要であると述べています。
過剰なエネルギーや意識がある場所では、必ずそのバランスを取ろうとする力が働きます。
これは、自然界の物理法則と同様に、私たちの思考や感情にも適用されます。
たとえば、崖っぷちに立ったとき、
私たちはその状況に「死の恐怖」という強い意味を与えることで過剰ポテンシャルが生まれます。
この過剰なエネルギーは、私たちを崖から遠ざける力として働きます。
しかし、この力が強すぎると、かえって足を滑らせてしまう可能性が高くなるのです。
つまり、過剰ポテンシャルが生じると、それを解消しようとする逆の力が働き、
望まない結果を引き寄せてしまうことがあります。
家の中に立っているあなたと
崖っぷちギリギリのところに立っているあなた
どちらも「立っている」という意味ではエネルギーの状態は同じはずです。
しかし、崖っぷちに立っているあなたにとって
足を踏み外すことは「死を意味する」という恐怖から、
崖の上に立っているあなたには、崖の下から引っ張られる力と、
崖から安全なところに移動したいという力が働いているのです。
つまり、あなた自身が今置かれている状況に大きな意味を与えたために、
過剰なポテンシャルが働き、そこに抵抗力が生じたのです。
「こうなってほしくない」という気持ちが強すぎたり、
そのことについて心配しすぎたりすると、
かえってその事が起きてしまうのはこのエネルギーが働いているからです。
過剰ポテンシャルと現実との関係
過剰ポテンシャルが生じると、現実世界において何が起こるかというと、
バランスを取るために「平衡力」が働きます。
この力が、私たちの望む結果を邪魔したり、
予期せぬトラブルを引き起こしたりすることがあります。
たとえば、仕事において成功を過度に望む場合、
全ての時間やエネルギーをその目的に捧げることで過剰ポテンシャルが生まれます。
その結果、ストレスや疲労が溜まり、病気になったり、
逆に成果が出なかったりすることがあります。
これは、仕事に対する過剰な重要性が、バランスを失わせたために起こる現象です。
同様に、人間関係においても過剰ポテンシャルが働くことがあります。
恋人を「理想化」しすぎると、
相手がその期待に応えられなかったときに大きな失望を感じ、
関係が破綻する原因となることがあります。
このように、私たちが物事に過剰な意味を与えすぎると、
逆にそれが現実に悪影響を及ぼすのです。
どうすれば過剰ポテンシャルを避けられるか
過剰ポテンシャルを避けるためには、
物事に対して「執着しすぎない」ことが重要です。
物事に対する重要度を下げ、
よりリラックスした態度で取り組むことで、
平衡力が過剰に働くのを防ぐことができます。
たとえば、
仕事でのプレゼンに成功しなければならないと強く思いすぎると、
緊張して本来の実力が発揮できなくなることがあります。
この場合、結果に執着しすぎず、「最善を尽くせば結果は後からついてくる」と
自分に言い聞かせることで、
自然体で臨むことができ、結果的に良いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
具体的な方法としては、自分の目標や欲望に対して少し距離を置き、
過度に期待しないようにすることが挙げられます。
たとえば、試験の結果がどうしても気になるとき、
「できることはやったし、結果はなるようになる」と考えて
心を落ち着けることで、過剰な期待を避けることができます。
また、日常生活において感謝の気持ちを持ち、
ささやかなことにも喜びを感じる生き方大切です。
たとえば、仕事での昇進を強く望んでいる場合も、
現状の仕事に感謝し、今ある機会や人間関係に目を向けることで、
心の平穏を保つことができます。
これにより、過剰ポテンシャルが発生する余地が減り、
平衡力が働きにくくなります。
そして、不思議なことに、執着を手放した瞬間、
欲しかった状況が向こうからやってくることがよくあります。
努力を重ねたあと、心をリラックスさせたときにこそ、
物事がスムーズに流れ始めるものです。
過剰ポテンシャルの影響を最小限に抑える方法
過剰ポテンシャルを避けるだけでなく、
その影響を最小限に抑える方法もあります。
まず、自分自身や他人に対する過度な期待や理想化を手放すことです。
これは、現実に対して柔軟な態度を持つことを意味します。
物事が思い通りにならないときも、
その結果を受け入れる準備をしておくことが大切です。
また、瞑想やリラクゼーションの習慣を取り入れることで、
心の平穏を保つことができます。
これにより、過剰ポテンシャルが生まれる前に、
心のバランスを保つことができるでしょう。
守護天使と「過剰ポテンシャル」の関係
「過剰ポテンシャル」は、「誇らしい気持ち」から発生することがあります。
この気持ちがエネルギーのバランスを崩し、不必要な力が働いてしまうのです。
しかし、これを防ぐためにユニークなアプローチとして、
「守護天使」の存在を活用することができます。
自分の成功を守護天使のおかげと考え、その功績を守護天使に捧げることで、
誇らしい気持ちから生まれる「過剰ポテンシャル」を軽減することが可能です。
この考え方は、ヴァジム・ゼランドさんの「トランサーフィン」や
最新作の「タフティ・ザ・プリーステス」の教えと深く結びついています。
「トランサーフィン」は、20カ国以上の言語に翻訳され、
発売から20年が経った今も、世界中でファンを獲得し続けているのですが
残念ながら日本では絶版となってしまいました。
守護天使を信じ、感謝の気持ちを持つことで、
その存在はますますリアルなものとなり、
私たちに力強いサポートを与えてくれるのです。
さらに、魂にはこの人生において計画してきたプランがあり、
そのプランに沿った生き方が最も自然で輝かしいものとなります。
この点で、ヴァジム・ゼランドさんとトーシャ・シルバーさんの教えは共鳴し合っています。
ヴァジム・ゼランドさんが
「守護天使」という概念を科学的に証明できないとしても、
その存在を信じることで実際にサポートを受けることができる
と説くのは、まさにトーシャ・シルバーさんの「宇宙にすべてをゆだねる」という考え方に通じるものがあります。
私たちは、日常の中で過剰ポテンシャルを生じさせないために、
自分の成功や成果を守護天使に捧げるというアプローチを採用することができます。
これは、すべての意志を宇宙にゆだねるという
「バクティ(神への明け渡し)」の一形態とも言えます。
自分の手柄を守護天使に捧げることで、
私たちは自然な喜びを感じることができ、
その結果、余計な心配やストレスから解放されます。
魂のプランと理性の自由意志
魂には、この人生において計画してきたプランがあり、
理性には自由意志が与えられています。
しかし、理性が望むことが実現するかどうかは、
その目的が魂のプランに沿っているかどうかにかかっています。
ヴァジム・ゼランドさんの「外的意図による目的の現実化」という考え方も、
トランサーフィンが「どんな願望でも叶えられる」とは言わない理由です。
魂の計画に沿った願望であれば、それは自然と現実化に向かうでしょう。
私たちが「いまここ」で幸せを感じられるかどうかは、
自分の人生ラインを歩んでいるかどうかにかかっています。
目的を達成して初めて幸せになるのではなく、
目的に向かって進む過程自体が幸せであるべきです。
このプロセスが、魂の計画に合致しているとき、
私たちは本当に幸せを感じることができるのです。
まとめ
ヴァジム・ゼランドさんの「過剰ポテンシャル」という概念は、
私たちがどのように現実を捉え、どのように行動するかに深く関わっています。
過剰な重要性を物事に与えることで、
逆に望まない結果を引き寄せてしまうことがあるのです。
しかし、この概念を理解し、適切に対応することで、
私たちはより調和の取れた現実を創造することができます。
私たちの思考や感情が現実にどのように影響を与えているのかを常に意識し、
過剰ポテンシャルを避けるための方法を実践することで、
より豊かで幸福な人生を送ることができるでしょう。
人生とは波のようなものです。
その波の上をサーフィンすることがトランサーフィンだとするならば、
波が大きくなったり、カーブや崖が現れたりする前兆として、
私たちには何らかのサインが現れるはずです。
たとえば、人生が大きく変化する予兆として、
人は「寝ても寝てもずっと眠い」という状態が続くことがあります。
これは、無意識が「いつもと何かが違う」ということを察知し、
心身が変化に備えているサインかもしれません。
普段の生活の中で、何かがいつもと少しだけ違うと感じることがあれば、
それは人生のラインが徐々に移動している兆しかもしれません。
本質的な変化が訪れる前には、物事の質感が少しずつ変わっていくものです。
こうした微細な変化を感じ取ることで、
私たちは自分の人生の流れにもっと敏感になり、
過剰ポテンシャルを避けながら、スムーズに波に乗っていくことができるでしょう。
宇宙への祈り(トーシャ・シルバーさん風)
最愛の宇宙よ、
私に必要なすべては、
あなたの無限の恵みによって常に満たされていると、
心から信頼できる者に私を変えてください。
私を信頼で満たし、
あなたを私のすべての源とさせてください。
私に安らぎを与え、リラックスさせ、
あなたの導きにゆだねさせてください。
私は大丈夫です。
平和に満ちています。
必要なすべてが十分に満たされます。私は完全にあなたに委ねます。